鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

昭運丸の船おろし(ふなおろし)2000年

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この写真は2000年に新造した現在の船「昭運丸」です。
14隻目の新造船です。
 
船大工や造船所のことを地元ではフナダと呼んでいますが、
代々のフナダの棟梁と侃々諤々しながら造られた船で、
その意味では かむろ船の技の結集のようなものかもしれません。
 
このとき父は74歳。
「一生のウチ、これが最後の船にしたいがよかろうか? 年を考えてチィそう(小さく)したい」と父が尋ねました。
あまり考えもなく「好き(自由に)にしたら?」と言った記憶があります。
 
その後、若棟梁から聞かされました。
 
「松もっさァ、あんたがええゆうたけつくったんでえ。息子の昭ちゃんが反対したら造っちょらんで」。
 
船を造ることは小さな家が建つほど金がかかります。
息子が乗らない船を残しても負担になるだけ。
でも動ける間は漁師でいたい。
そんなふたつの思いが心の中で揺れていたのでしょう。
 
ところでこの写真の中央に写っているのが父です。
宴会は古谷造船所の中です。
今は公民館とか家でとかでやることが多いですが、
昔にならってフナダでさせてもらいました。
「浜お神酒/はまおみき」をあげるといいます。
「浜お神酒」、いい言葉ですね。
 
船の前の写真に写っている人は父をのぞき、
すべてあの世に渡りました。
改めて漁業者の高齢化を思い知らされます。
シャッターを押してくれた石井定さんもあの世に渡りました。
 
今頃は皆さん、あの世で草葉の陰からこの船に乗り込む者たちの行く末を心配しちょるでしょうね。
見守っていてちょうだいね。
 
 
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