鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

泊まったお客さんがご遺体を運んだご縁

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天気のよい連休初日ですね。皆さん、良い旅をされますように。

きょうの小庵「鯛の里」は常連様のご夫婦。面白い因縁があります。佐野眞一さんが書いた「大往生の島」に登場する「なじみの老人」こと石井正夫さん。数年前に亡くなりました。長く入院していたのですが、日付がかわる深夜においちゃんのケータイに電話。

「石井さんが亡くなったけど、ご遺体を自宅に運ぼうにも家人が高齢で力がない。昭ちゃん 来てくれん?」

電話の相手は 葬祭屋のスタッフの ふたいとこの美根ちゃん。ところがおいちゃんも足が不自由。隣の漁師の横山さんに電話しても出ない。困ったところ最後の手段。宿泊客に助っ人を頼むと深夜にも関わらずヨッシャ ヨッシャと一緒に駆けつけてくれました。ご遺体を二階の床の間に運び、新山住職に電話をするとすぐに駆けつけてくれました。このようにご遺体が家に運ばれるとまずは念仏を唱える、これを枕念仏と言います。

家人を含めわずか5人の念仏を唱える中に先ほどまで小庵で就寝していたお客さんも手を合わせていた。あとで慰労の酒を交わしていると、「宮本常一」ファンで佐野眞一さんが書いた「旅する巨人」も「大往生の島」も読んでいたのです。その「大往生の島」に登場する、佐野眞一さんが「馴染みの老人」とするご遺体を運ぶなんでこんな不思議なことないです。と、むしろ喜んでいたのです。それから連休のたびに夫妻で呑みにやってきます。今夜もまた「鯛の里に泊ったらご遺体を運ぶ手伝いをさせれるとは…」と、話がはずみそうです。まこと宿の経営はいろんなことがあるものです。
 
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民宿 鯛の里(コイの里ではありません。タイの里です。タ・イッ!! )
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