鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

民泊の入・離村式で思ったこと

今回の入・離村式での、受け入れ家庭代表のマイクパフォーマンスは堂に入ったものでした。さすがです。「今回の民泊で釣りを楽しみにしている人、手を挙げて」。多くの生徒が手を挙げました。「ここにおられる受け入れ家庭の皆さんが釣りをさせてくれますからねー」と。農家で釣りはしない受け入れ家庭もありますから、ギョッとした家庭もあったのではないかと。

民泊が始まった数年前のころですが、そのころは受け入れ家庭ひとりひとりがマイクを回して自己紹介をしていました(今はありません)。名前だけを言う人、自分とこはこんな体験をしますとアピールする人さまざま。

僕は当初、ニホンアワサンゴのシュノーケリングを、サンゴ保護の皆さんの協力を得て行っていました。

「ウチの受け入れた生徒さんには世界最大級のニホンアワサンゴをみることができます。魚もたくさん釣れます」

と自慢げにアピールしました。

すると、他の受け入れ家庭がこんなことをいいました。

「私のところはサンゴもありません。船もありません。でも一生けん命楽しんでもらうよう頑張ります」

と述べました。しまったと思いました。言うべきではなかったのです。まして、民宿の営業ではないのですから。

周防大島の体験の花形はやはり船の漁業体験です。ウチの生徒が波止で釣りをしていると、漁家が受け入れた子供どもたちの船が港に入ると波止から、「釣れたー?」、すると船から「ブリが釣れたよー」とか言われると、こちらは小さいメバルだからなあと、やはり引け目を感じてしまいます。子どもたちのイイナーって表情をみると申し訳ない気もしてきます。

船もないし、畑もないけど、頑張って子どもたちにいい思い出を残してあげたいとがんばっているんですけど、そろそろ卒業した方がいいのかなって時々思います。