鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

島猫と島くらし

 

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地域猫

(本文から)
野良猫を減らすため、不妊・去勢手術を施し元の場所に戻して住民が世話をする「地域猫」活動。広島市では、飼い主のいない猫の手術を市が引き受けるという先駆的な体制を5年前に整え、成果を出している。現在、市内の15.5%にあたる300町内会が取り組むまでに広がり、手術を受ける猫は年千匹を超える。住民から町内会への苦情も減っているという。
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ええー、すごいねえ。手術は、獣医師の資格を持つ職員やOBがあたるという。

ところで我が島猫といえば、嫌われもせず、お年寄りと一緒にひなたぼっこというのどかなもの。

この記事や猫の苦情ばなしといえば、一番は糞尿のようだ。猫の糞尿はとりわけ臭い。ところがウチの庭に野良猫が数匹たむろしていて糞もオシッコもしているだろけど臭いは無い。地面が土だからだろうか。雨が降れば溶けるし臭いも吸収もするだろう、晴れれば乾く。

ひと月まえ、モルタルを貼った玄関にこんもりとウンチをされた。鼻がもげるほど臭かった。水で流し、湯を流し、セスキソーダを噴霧した。掃いたほうきがこりゃまた臭い!(××)!。以来、玄関にはダイソーで買った忌避剤を撒く。

拾った子猫について、子猫の可愛さは罪であると、twitterに書いた友人がいた。ウチに今年春に軒下で産まれた子が、この半年で親と変わらない大きさになっている。しかし、糸で垂らした猫じゃらしにまぶれつくサマはまさに子どもである。親猫はまったく興味を示さない。にしても、あれほど可愛かった子猫が、親猫になるとどうしてこんなにニンソウ悪い顔に変身するか。

僕は最近まで猫は嫌いだった。それは漁家というせいもある。漁家にとって猫は天敵でもあるのだ。時は昭和40年ころ。終戦後わずか20年しか経っていない時代。僕はまだ小学の低学年。父が夜中の3時ころエビ網を漕ぎに出る。6時ころ港に帰って来る。ラヂオ体操が終り、港へ直行して船に乗る。生簀に満杯となったエビにまざって混獲したデベラやタコイカなどの食用になるもと、食用にならないヒトデや小さな甲殻類は船からポンポン放る。するとそれを捕食する魚が浮いてくる。それを掬ったりして遊ぶ。クルマエビやウチワエビなどが獲れるとバンザイした。ときにはチョウチンアンコウやフカ(ドチザメ)の変わった魚も捕れた。そんな毎日だった。

船から上がるとバケツ一杯の雑魚を家に持ち帰り、母がシゴをする。台所の前は海。ワタなどは窓から放り投げる。たくさんの魚が寄ってきた。なにせ窓から魚が釣れていたくらいの家だった。まだ冷蔵庫がない時代。近所に配るか、保存は塩をするか干す。干場は海に面した裏庭だった。籠に並べたデベラ(平目の稚魚)やレンチョウ(舌平目)やエビ、イカなどを吊るす。

そこから闘いが始まる。下からは猫、上からはカラスの猛攻撃をうける。見張り役は僕である。そばに犬が吠えようがお構いなし。猫のジャンプはすごい。体の3倍くらいは平気で飛び上る。カギのような爪は容赦なく籠に引っかけぶら下がる。ひっくり返った籠からは干したばかりの魚が散らばる。すさまじい速さで咥えて逃げるのだ。泥棒猫とはよう言ったものだ。

さらにもうひとつ猫嫌いの原因があった。家にはインコや雀、メジロとかホオジロなどを飼っていた。もちろんメジロなどは今は保護鳥だからダメ。それがことごとく猫に食われた。

小鳥が狙われるのは猫だけじゃない、アオダイショウもいた。家が浜から積み上げた石垣の上に建っていた。その石垣がヘビの棲家だった。夜中に布団の上にボトっと落ちるのはしょっちゅうだった。だから家には父が手製のヘビ捕り機を置いていた。竹の先端に針金をワッカにして、ワッカにヘビの頭をくぐらせて手元の針金を引くと首が絞まるという仕掛けだ。父が深夜にイサリ漁でいないとき、母がヘビ捕りでつかまえたのは良いが、針金を強く引き過ぎてヘビの首がボトっと切れて布団に転がったことがあり、母は卒倒した。

僕は僕で、動物アレルギーとは知らず、犬も飼い、小鳥も飼って、体中が発疹だらけだった。当時はアトピーという概念すらなかったのだ。

かつて橋がまだかかってないころ、「猫と老人の島」と新聞記事のタイトルにもなった。それがどんどん減って、今また増えてきているのかな?あれだけいた手のひらくらいの子猫がパタッといなくなる。恐らくはトンビやカラスに食われたのだろう。かわいそうだがそれも自然。住民と共存する地域猫。ここでは「島猫」だけど、都会とは違う猫との暮らし方があるように思う。

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