我が家の怪談物語 母の話
母は沖家室島の対岸「佐連(され)」で生まれて育った。佐連美人三姉妹と言われていたそうだ。その母を見初めたのが父だったそうで、島の瀬戸をカッターボートで通う姿を見ては、「春久がまた佐連に行きよるで」と言われていたそうだ。
しかし、大恋愛かと言えばそうでもなさそうだ。母がしょっちゅう実家に帰ったり、父が連れ戻したり、ケンカは絶えず、僕の頭の上を皿が飛び回っていたことを思い出す。
家族全員O型。無理もないか。ケンカも派だけど、笑うことも派手、そんな家族だった。
そんなことはどーでも良いか!(^^😉!
母が小さいころ、隣の集落へ買い物に行った帰り、暗くなったきて、いつもの道がわからなくなったそうだ。今は海岸通りだけど、その当時はまだ山道が普段の道路だったそうだ。
あかりのある家があったので訪ねてみると、そこは叔父の家だった。それすらわからなかったそうだ。叔父さんが、
「あんな手になにを持っちょるか」
「アブラゲを買うてきた」
「それをはよう離せ。そりゃキツネに化かされたんじゃ」
今から思うと、ここにキツネはいたじゃろうか。狸はいるけど。
民俗調査は、そのことの真偽はともかくも、ありのままに聞くことが大事なので、そういうことにしておこう。
たとえば、恐山に行って、イタコさんに「アンタ、嘘言うちょうるじゃろが」と言ったらシャレにもならんわね。
鯛の里のご予約ページは
沖家室水産のページは
松本昭司へのご連絡は ↓こちらへ
shouji108jp@gmail.com