なんのことで遠出したのだろう。ついぶらりと山中に入った。集落もない山道にひときわ目立つ大きな古民家レストラン。ちょうど昼時だ、簡単に食事でもしようと駐車場に入ったら、たくさんの車が停まっていた。
中に入ると「空いたところにどうぞ」と声がかかり、奥まったところの囲炉裏の端に腰を掛けた。ムムム、なにやらまわりの視線が気になる。店員が注文をとりにきた。またまた目線が怪訝そうだ。そこでまわりを見渡すと、頭から足先まで全身白づくめ。顔にはどこかで見たことのあるマスク。そうだアベノマスクだ。しかも全員。
そして我に返った。自分がマスクをし忘れていることに気が付いた。あ、どうしよう、車にとりに帰るかと、そう思っていたら、隣のお客さんが「マスクをしていないなら出てけ」と小さな声でつぶやいた。そしたらまわりの人も、そうだそうだと言うように、僕に目線を送ってきた。
僕は怖くなり、注文をする前だったので店をでることにした。そそくさと歩く僕にすべての目線が冷たかった。出口を出たときに上を見上げると、大きな天狗の面に長い鼻だけを突き出したガーゼマスク姿の看板があった。この天狗のお面、誰かに似ている。そうだ。安倍総理だ。マスクのない客は入るなという強烈なメッセージ。こんな店が世の中にあるのか。なんとうことだ。ナントイウコトダ ナントウコトダ…。
そこで目が覚めた。夢だった。なんとも世知辛い世の中になったもんだ。夢にまでアベノマスクが出てくるとは。
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