鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

黄門さまのハナクソマンキンタン

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【思い出のタイガーバーム
手に熱い湯がかかりヒリヒリする。こんなとき、あの塗り薬があればと思う。その名をマンキンタン(萬金油)。

20代後半に社内旅行で香港に行った。観光バスの中でしきりに小さな小瓶を持って、どんな痛みにも効く薬マンキンタン マンキンタンを連呼する。しかも安い。車内の多くが予約した。その僕もウチの父や妻の家族、友人にと10個くらい買った。

翌日に手渡されたマンキンタンを手にとった。スースーする。しばらくすると熱を持つ。ハッカ特有の現象である。説明文を読むと麻酔効果があると。なので軽い表面ヤケドには確かに効果があった。眠い時は瞼に塗ってシャキっとした。

薬局に行くと同じ小瓶があった。タイガーバームという名で売られ、龍角散から発売されていた。なんだ、日本にもあるじゃんか。

ところでマンキンタンといえば黄門さま。

八兵衛が「ご隠居、腹が差し込むんです。どうにかなりませんか?」。すると黄門さまが「どれ、ワシが良い薬をやろう」とクルっと背を向けてなにやらゴソゴソ。「さあ、これを飲むと良い。たちどころに治るであろう」。「ほんとだ、治った。ご隠居、これはなんという薬ですか?」。「ハチ、これはな、ワシのハナクソマンキンタンじゃ」。「げえ!(××)!」。

黄門さまの時代にマンキンタンがあっただろうか。タイガーバーム(虎標萬金油)の起源は1870年代に清の薬草商人・胡子欽によって、ビルマのラングーンで発明され、彼の死の床(1908年)で、息子の胡文虎と胡文豹に完全な製薬法が伝えられたと言われている(Wikiから)。

黄門さまは徳川光圀。1628年 - 1701年。72歳で亡くなった。タイガーバームよりももっと前の時代。

日本古来のマンキンタンは萬金丹。お伊勢参りの土産として600年も前から売られているそうだ。だから、黄門さまの時代にはマンキンタンは存在していたのだ。

さあ、あなたの子どもさんが急にお腹が痛くなった。あなたの鼻くそを丸めて与えてやると、八兵衛のようにたちどころに良くなると思い…ま…す…う~ん、知らんけど。くれぐれも、これは「お父ちゃんのハナクソマンキンタンじゃ」とは言わぬように。

 

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