WEDGE Infinity読者の皆さま
平素より、ご愛読ありがとうございます。
本日は、来月から始まる
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
の主人公・
渋沢栄一に関する新刊をご案内いたします。
ポストコロナのいまこそ、
渋沢栄一の理念を!
混迷の時代に求められるリーダーの資質とは?
100年読み継がれる国民的ベストセラーが5代目子孫による現代
語抄訳で蘇る。
◇『超約版
論語と算盤』
渋沢 栄一 原作/渋澤 健 監修
新書判並製 160ページ
予価:本体1,000円+税
発売予定日:2021年1月18日
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以下、本書より一部を抜粋してお届けいたします。
――「はじめに」より
渋沢栄一が生きたのは、
日本の社会が近代化に向けて大きく舵を切った変化の時代でした。
当事者が好もうが好むまいが、変化は否応なく訪れるものです。
そして、社会が変化する時代に、人々がかならずぶつかるのが、「
本当に大事なものは何か?」という問いです。
変化のなかで
渋沢栄一が目指していたのは、国民が豊かに、
機会平等な社会で暮らせることでした。
また、当時の日本社会には、西洋に追いついたことで、
おごりのようなものがあったと思われます。
それを一度リセットし、なぜ自分たちが発展できたのかを見直し、
原点回帰しなければ、
子どもたちに豊かさをバトンタッチできないかもしれない、
そういう危機感も
渋沢栄一にはあったように思います。
これは、現代の日本にもいえることです。
長年デフレデフレといわれながらも、
日本人はかなりいい生活ができています。経済的にも、
社会的にも、自然的にも豊かです。
ただ、そこで思考停止してしまえば、
その豊かさはいずれ失われます。
そのことを目に見える形で示したのが、コロナ禍でした。
自分や家族が大切なのはもちろんですが、
家にこもっているだけでは社会が止まって大変なことになる。
それを肌で感じた数カ月だったと思います。
同時に、自分や家族を大切に思うからこそ、
社会にも豊かさを還元しなければならない、
ということも感じたのではないでしょうか。
一人ひとりの行動、
思いというものはけっして無力ではありません。
ベクトルを合わせられれば、
大きな時代変革を起こすことができるのです。今は、
そんな時代の節目を迎えているのではないかと思っています。
(中略)
渋沢栄一が行なってきたことは、
今の時代が必要としているものごとに見事にシンクロしています。
だから『
論語と算盤』は読み継がれ、今また、
大きくクローズアップされることになったのです。時代が『
論語と算盤』を呼び起こしたともいえます。
私は
渋沢栄一の玄孫(五代目)にあたりますが、じつは渋澤家が『
論語と算盤』を代々受け継いできたというわけではありません。
私自身、大学まで
アメリカにいたこともあり、
四十歳くらいまでは
渋沢栄一といえば昔の人というイメージでした
。
しかし、実際に『
論語と算盤』を読み始めてみると、
今のことにあてはめて解釈すれば使えると気づいたのです。
そこからブログなどで言葉を紹介しはじめ、
現在は定期的に勉強会を開かせてもらうまでになりました。
今回の本では「超約」の後ろに、
どうやってこの知識を現代で役立てるか、どこが注目ポイントか、
など私の考えも併せて掲載しています。一緒に読み解くつもりで、
現代の生活やビジネスにどう役立てていくかを考えていただければ
幸いです。
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【目次】
第一章 処世と信条――利益は正しく稼ぐもの
◎富の追求には道徳が必要 モラルなき経営は続かない
◎情熱と冷静な頭脳 どちらも『
論語』で養える etc
第二章 立志と学問――大きな志を立てる
◎大小事にかかわらず行動力を自発せよ
◎学問を極めても起こる予想外に適応できる力 etc
第三章 常識と習慣――健全な常識を身につける
◎強い意志と聡明な知恵、温かい情愛を均衡させる
◎個人が日々重ねる行ないは組織の習慣ともなりうる etc
第四章 仁義と富貴――利益だけを目指すな
◎お金の効力は絶大 それゆえに道徳が必要
◎よく稼ぎ、よく消費して富の循環を促す etc
第五章 理想と迷信――主義を通しても心は新たに
◎変化が読めない時代こそ信に基づく商業道徳が必要
◎自分の利益よりも組織や社会の利益を優先 etc
第六章 人格と修養――精神の修養に日々努める
◎名声と富だけでは人の評価はできない
◎知ることが修養ではない 理論と実際の調和 etc
第七章 算盤と権利――豊かさを求め人は努力する
◎相互の情によって立つ社会全体が富む心掛け
◎心がつねに楽しめる社会に益する行ないをなせ etc
第八章 実業と士道――武士道をもって実業道とする
◎日本人がよるべき
大和魂は商工業者の道でもある
◎「富をなせば仁ならず」の意味を取り違えるな etc
第九章 教育と情誼――学問のための学問をするな
◎知識詰め込みからの脱却 能動的な教育への革新
◎詰め込み型の知識教育では十人十色の人材は育たない etc
第一〇章 成敗と運命――道理に従い価値ある生涯とする
◎順境も逆境もない 境遇は自分から招く
◎一時の成敗にこだわらず運命をみずから開拓する etc
【担当編集より】
2024年から新1万円札の肖像になる
渋沢栄一。いま『
論語と算盤』
が元祖SDGsの理念として再注目されるなかでの刊行です。
ただの現代語版ではなく、玄孫・
渋澤健氏によるコロナ後を見据えたコメント付きです。
栄一は最初は農民で、その後は
尊王の志士、
幕臣、
明治政府の役人を経て、実業界へ入り500社余りを創設。
幕末から昭和まで、文字通り「一生で二世を生きる」
を体現した人物として、
大河ドラマでどう描かれるか、
個人的にも楽しみにしています。
サントリー社長・
新浪剛史さんに帯推薦を賜りました。
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また、
渋沢栄一の波乱万丈の人生を短時間でざっと押さえたいという方は
、こちらの連載もおすすめです!
【連載】
大河ドラマ主人公・「日本近代化の父」の素顔に迫る(
ほんのひととき)
https://miu.ismedia.jp/r/c.do?1ppp_w1X_2yl_sds第1回 6歳で「
論語」に出合い、文武両道だった
渋沢栄一https://miu.ismedia.jp/r/c.do?1ppq_w1X_2yl_sds第2回
尊攘派志士から一転、
幕臣として渡欧した
渋沢栄一https://miu.ismedia.jp/r/c.do?1ppr_w1X_2yl_sds第3回
明治新政府の官僚として活躍した
渋沢栄一https://miu.ismedia.jp/r/c.do?1pps_w1X_2yl_sds※第4回は、1月18日公開予定です