【読書日記】⑥
―人生の贈りもの―
(本文から)
「(宮本先生から)そのときに教わったのが、カタカナの横書きで1行ずつ空けて書く手法。宿へ帰ってから空いたところへ赤で直しを入れて、風景とか相手の表情は青で入れる。カタカナ書きは早くて間違いが少ないんです」
宮本先生のメモはカタカナが多い。僕もそれにならって、メモはカタカナが多い。
宮本先生が入院中、妻のアサコさんが詳細なメモを残している。「ニイヤマ ミマイ」「マジマ ミマイ」と、僕も馴染の名前も出てくる。ほとんどがカタカナ。それが何故かリアルに伝わってくる。カタカナは想像を膨らませるようだ。追悼集「同時代の証言」の巻末に収録されている。