鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

~考察~/甘夏の食べ方

【~考察~/甘夏の食べ方】

久々に甘夏を食べたのは数年前だ。甘夏を栽培している山根こうじさんが、「絞って焼酎と炭酸で割ると美味しい」と実演して見せてくれた。焼酎はキンミヤにこだわる。甲類焼酎の世界ではトップクラスの品質。甲類の特徴は蒸留を繰り返すことで、無色透明の純度の高いアルコールをつくりだす。だから乙類のように香りを楽しむ焼酎との違いがある。

「どうぞ」、と言われて最初の一口の爽やか。キンミヤの癖のない、イヤ…少し甘みもあるのか。そして絞った甘夏の香りと渋みが合わさったシュワシュワが鼻の頭に当たる。少々もったいない気もするが、この時期に最高の炭酸割だろう。おすすめ。

そして先日、呑み友の智ちゃんからもらった甘夏。もちろん炭酸割にしたけど、たくさんあるので食後のデザートにも。ところが皮は分厚くて硬いからむくのもえらいこっちゃ。ネットで調べると、包丁でむくといいというのでやってみたが手でむく方がいい。お尻にちょっと十文字に切り、そこからむいてやるほうがいい。房を包丁で切ってやると身を取り出しやすい。果汁たっぷりで手もビショビショ、顔にも散る。

少々熟れたせいか、身がはがれにくい。しゃぶりつく。この感覚、魚のアラをすわぶるときと似てないか。ハッ、そうだ。思い出した。小さいころ甘夏を食べるときのコツ。すわぶって皮から身をはがしたあと、舌と上アゴですりつぶして呑み込む。噛むと苦みがでるから、ムシャムシャ噛まない。こりゃ、俄然面白くなった。

舌の構造を調べてみた。先っちょは甘み、両サイドは酸味、奥が苦みを感じる部位だそうだ。つまり、舌で上アゴに実を押し付けて潰して一気に呑み込む。こうすると苦みを感じない。理にもかなっているようだ。