鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

数年に一度の寒波 でも島は…

数年に一度の寒波、
とはいえ沖家室は霜すら降りない。
さすがは亜熱帯に属する島。
豊後水道からの暖流黒潮が島を洗うように流れるからだそうだ。
沖家室の属島大・小水無瀬島には亜熱帯種のアコウの自生が確認されたことから自生北限とされ、
1955年(昭和30)県の天然記念物に指定された。
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ところが本島沖家室にもかつては県内最大のアコウの木があった。
写真の切り株がそれ。
場所は蛭子神社の鳥居をくぐり、
参詣石段の右横。

今年91歳になる父に聞いてもその木の存在は知らなかった。
いつ伐られたのかはわからない。
この島に人が住みはじめて400年以上経つが、
その前からあったのかもしれない。
この切り株はすでに朽ちて見る影もない。
この写真は僕が2009年3月に撮ったもの。

アコウの切り株の横の石段は神武天皇即位紀元皇紀)2600年を記念してつくられたものであろう。
だとすると1940年(昭和15年)だから今から77年前。
アコウはそのときに邪魔になるので伐られたのかな? 
とも思ったが、
大正15年生まれの父が15歳。
でも木の記憶すらない。
生きていれば100歳を超す親戚の石井爺様も知らないと。
だからその前にすでに伐られていたのだろう。
記録がない!(××)!。

近年、亜熱帯種ニホンアワサンゴの世界最大級の群生が発見され、
国指定の海域公園に指定された。
名実ともに亜熱帯の島は疑いのないことのようだ。