トントントンと戸を叩く。
「またか」。
玄関を開けると父が立っている。
「誰かが迎えにきたんじゃが誰もおらん」。
深夜であろうと、
早朝であろうと真昼間であろうとおかまいなし。
妄想である。
「出かけるのは朝の9時だから」と、家に帰す。
夜道は溝にハマったら危ないので付いて行く。
この鯛の里に鍵をかけていない夜は、
スーッと入って土間にぼーっと立っている。
幽霊かとびっくりする。
週に半々でデイサービスとショートステイの利用。
日帰りのデイサービスが要注意なのである。
特養を申し込んでいるが、
10年待ちとも噂される。
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