黒の子猫

夕方、隣の駐車場で黒の子猫が死んでいた。
たぶん、数日前に玄関先で雨宿りをしていた猫だろう。
そのときすでに毛は抜け、
元気もなかった。
今年の春に産まれた5匹のうちの一匹と思われる。
茶トラと木に登って遊んでいたやんちゃな猫だった。
生後3か月になるのに、
掌に乗っかる程度の発育不良の猫だった。
この子猫の母猫が、
今朝からみないなと思っていたら夕方姿を現した。
裏口に近寄ってきて、
僕の姿をみたら、か細い声でミャアと鳴いた。
物悲しげだった。
泣いたのであろう。
隣の住人の車の下で亡くなったのであろう。
だから車を移動した住人はおそらく自分の車の下で
子猫が亡くなったことは知らないだろう。
僕は動物アレルギー。
だから、ダニ・ノミがつかないように子猫に殺虫剤を噴霧した。
ごめんよ(
ToT)。

腕にビニール袋をまとい、
新聞紙にくるんで運んで、
庭の隅に埋めてやった。
子猫が亡くなる場合、
人目につかないという。
育てられないと思った時は親猫が食べてしまうとか、
カラスやトンビなどがさらっていくとか。
野良猫の過酷な世界。
かつて「猫と老人の島」と揶揄された時代があった。
多すぎた猫は行政が捕獲したり、
縄張り争いで淘汰されていった。
それから四半世紀。
それなりに島猫と島人は共存してきた。
これからどう共存していけば良いのだろう。
餌を与えるな一辺倒では解決しない。
同じ島に生きているのだから。