鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

ニホンアワサンゴの群生が世界最大級

 地元のニホンアワサンゴの群生が、このほど専門家の調査によって世界最大級の群生地であることがわかった。世界一・・・・。これは重い出来事だ。

 ところでこのサンゴの出現について地元の人に話題をふりまく。すると様々な感想が帰って来る。多くは温暖化を危惧する声だ。「素直には喜べない」。

 ウーン・・・・、でも、ぼくは素直に喜べばよいと思う。確かにこのサンゴは温暖化によってもたらされたことは否定できない。もっというと温暖化によって南下しなくなったアイゴが藻を食い荒らしたことによって光合成が働いてサンゴが育ったものだ。さらにこの一帯は亜熱帯植物の北限であるように、そもそもが温帯なのであり、暖流の黒潮が入り込む佐田岬半島の真向いに位置する。

 温暖化によってもたらされた新しい生物がすべて悪い訳ではないだろう。ましてニホンアワサンゴが悪さをするものでもなく、美しく可愛いものだ。海がきれいだということも証明されたわけで環境学習の教材や観光資源にもなりうる。

 もうずいぶん前になるが、友人の岡田和樹くんたちが発見したオノミチサンゴ。この一報に世間は好意的にとらえたように記憶している。このニホンアワサンゴの出現が困惑視されるのは、当時とは違って温暖化に敏感となっている空気が背景にある気もする。

 今後、とにかくよく話し合うことが大事で、なにせ世界一ともなれば世界から、中でもナチュラリストの熱い視線が注がれる。周防大島に暮らす我々の海に対する関わり方が問われるのは間違いなさそうだ。
 
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10.4.13中国新聞から