鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

美保関 えびす様の総本宮

島根県の境港を通り過ぎると島根半島があり、その先端に美保関灯台があります。絶景ポイントで、僕はこの景色が好きで過去4回行きました。

途中、小さな漁港があります。美保関漁港。そのひなびたたたずまいは、漁港ファンにとってはたまりません。でも一度も訪ねてはいませんでした。

YouTubeを観ていたらこの美保関が紹介されていました。なんとここの美保神社がえびす様の総本宮なんだそうです。

えびす様は七福神の中で唯一の日本の神様で、他はインドの神様です。わかりやすいのはインド由来の神様は天竺の天が付いています。例えばフーテンの寅さんでおなじみの帝釈天・大黒天・弁財天など。

えびす様はさまざまな漢字が当てられています。夷、戎、胡、蛭子、蝦夷、恵比須、恵比寿、恵美須、恵美寿。これは中央政府が地方を指して使う言葉と被るんだそうです。例えば現在の北海道は蝦夷というように。

その中のひとつ、蛭子神。これもヒルコと書いてエビスと読みます。沖家室の蛭子神社がこれにあたります。古事記などにある「蛭子伝説」によれば、日本最古の神とされる伊邪那岐命伊邪那美命(いざなぎのみこと、いざなみのみこと)夫妻は、初めての子が生まれつき体が異常に柔らかかったので、蛭のような子「ひるこ」と名付ました。そして、葦の舟に乗せて黄泉の国に送り再び丈夫な子になって帰っておいでと流しました。その辿り着いたところが蛭子神として祭られました。

こうしたいわば魔除けとして知られるのは、豊臣秀吉淀君の間に生まれた子は鶴松。幼少のころは捨丸(ひろいまる)と呼ばれました。次の子は棄丸(すてまる)、のちの秀頼です。とかく権力者は狙われやすいですから、「この子はウチの子じゃない、拾ったのだ」と。(ง `▽´)╯ハッハッハ!!

最初の子は悪魔にさらわれないように大事に育てた名残でもあるのでしょう。昔、ウィッシュというミュージシャンが唄ってヒットした「六月の子守唄」がありましたね。

星がひとつ空から落ちてきた

六月の子守唄を唄う母のもとへ

さわるとすぐに こわれそう

ガラスのような おまえだから

風が悪させぬように

悪魔がさらっていかぬよう

そしてお前が目をさましたならば

私がはじめにみえるよう

そういえばここには小泉八雲記念公園があるんですねえ。八雲もこよなく愛した美保関町。いつかゆっくり泊まって歩きたいと思います。

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