いやー、いい映画だった。個人的にはベストに入る。
伊能忠敬が登場するわけではないが、忠敬亡き後に弟子たちが意思を継いで日本地図をしあげるというストーリー。
忠敬が残したという言葉。「ロシアの船にたびたび襲われ、多くの人が苦しむ。他国に犯されないためにも、この国の形を知ることは大事だ」
実際にそういう言葉を残したかはわからない。ただ、現在のロシアの蛮行と重なるとは奇遇でもある。
経済を隣国に依存しながら敵国と決めつけ、イザのときには兵糧なし。一戦交えればひとたまりもあるまい。この国の形というのは軍事以前の問題ではなかろうか。
【年をとるとトイレが近い】
MOVIX周南、今回も年配者がけっこういた。前々回の「とんび」も割と年輩者が多かった。だからだろう、上映中に立つ人が多かった。僕はだいたい入り口列の真ん中に座るから、客は前を横切る。
あ、まただこの人三回目。四回目はエンディングロールの最中だった。このジイさん、まあ堂々として通りんさる。多くの人は腰をかがめて申し訳なさそうに通る。トイレに近いのなら、入り口付近の階段列に座ればいいのに。どうせガラガラなんだから。でもこのジイさん、券売機でノロノロしていたのでどの席がトイレに近いかなんて考えもしなかったのだろう。年取ると、こういう機械は苦手だね。
映画館もだいぶ人が戻ってきた。といっても、きのうのMOVIX周南で観た「大河への道」は20人足らず。それでもよく入ったほうだ。FUKUSIMA50なんか、館内一番大きなスクリーンだったけど客は僕ひとり。原発が爆発するシーンの大音響は鼻血が抜けるかと思ったよ。ちょうど2年前だから、コロナは流行り始めたころだった。
子どもが小さいころ、春のドラえもん祭りで広島市内の一番大きな朝日会館へよく行ったものだ。三階受付まで一階から並んだ。シネコンがまだない時代だった。ネット時代の今、あの賑わいはもうないだろう。