鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

春の子ネコあらわる

<子ネコ現わる>

隣のオジサンが前庭で刈込バサミの手をとめて、隅をジーっと見つめていた。

「どうしたんですか?」

「いやあ、さっき玄関を開けたら子猫がおって跡をついてくるんじゃ」

その目先には手のひらに収まるくらいの茶トラがいて、「ミュー」。

そろそろそういう時期か。と思っていたら今朝、ウチの裏口にも小さな子猫がいた。

島と猫は相性がいい。お年寄りの癒しにもなるし、家をあけっぱなしにしない限り荒らされることはない。困るのはウチのような宿だ。お客さんがたまに開けっ放しで外へ出ると、猫がスッと入り込みババをする。だから玄関には「猫が入ります。出入りには閉めてください」と張り紙をしているが、小さな子どもはそんなことはお構いなし。

エサは大丈夫かって? 心配はいらない。潮が引けばなんかいる。猫が魚を咥えて浜から上がって来る姿をよくみかける。干潟の潮だまりに逃げ遅れた魚をみつけるのだろう。猫は動く物をけっして見逃さない。

ひとつ親御さんには注意をお願いしたい。野良といえども懐っこい猫もいるが、下手に手をだすとカプっとやられるか引っかかれる。菌を持っている可能性もあるので、子どもが下手に手を出さないようにご注意を。野良は野生でもある。

<続編・猫の爪は鉤(カギ)>

僕は動物アレルギーがあるので犬猫はさわりません。けど、子ネコは経験的に恐さを知らないので近づいてきます。

ずいぶん前になりますが、庭の草刈りをしていると子ネコが近づいてきました。別にかまうつもりじゃないんですけど、手を伸ばしたそばに子猫が居て腕をカプっと咥えました。甘噛み程度で痛くもない程度でしたのでほっとくと、歯型の黒血が出来ていました。内出血です。

猫の歯は鋭いんですねえ。すぐに消毒しましたけど、2.3日すると黄色にかわりそのうち治りました。犬の爪はそれほどではありませんが、猫の爪は鉤(カギ)ですね。コンクリでもカッと刺さり、壁をよじ登っていきます。以来、猫には手を伸ばさないようにしています。

<内出血の方言>

猫にかぶられて内出血を起こし、島の方言ではこのような症状を黒ジニとか黒ジが死ぬとか言う。そこでちょっと調べてみた。

千葉・茨城はアオナジミ。愛知、岐阜、和歌山、高知では青にえ。さらに濃い黒にえ。関西では死ぬになるそうだ。東北では黒血。全国でいろいろな言い方が混ざるのは、人の交流で散らばったのではないかという。黒血は熊本でも使うそうだし、ウチの島も黒じが死ぬというのも、黒地がシヌとか黒シニは黒血と死ぬが混ざったものだろう。知らんけど。

<お犬様>

母の小さいころの思い出話にこんなのがあった。

昔、犬に憑りつかれて二階の部屋に閉じ込められた人がいると聞いたことがある。よだれをだらだら流してそれはまるで犬のようだったと。その家をお犬憑きと呼んでいた。

母が生まれたのは昭和7年(1932年)。それ以前の話だろうから、かなり古い時代の話。おそらく狂犬病に罹っていたのだろう。

日本では1957 年以降発生していないそうだ。ところがイギリスでは、2002年にコウモリによる狂犬病に似たウイルスの感染で死亡した例があるとのこと。このコウモリは日本国内でもいるらしく、注意が必要だとのこと。接触する可能性がある人はワクチン接種をと呼び掛けている。

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