鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

ドイツ文学者故・池内紀(おさむ)先生

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ドイツ文学者の池内紀(おさむ)さんのことが書かれた記事を中国新聞でみつけた。飾り気のない先生の人柄と風貌が蘇ってきた。

池内先生が周防大島郷土大学の講義にきてくださったのは2010年8月。旅好きな池内先生の旅スタイルと宮本常一先生の旅を重ねて話された。

「私はパソコンもインターネットもしません」

手には小さなメモだけ。たぶん話の筋と、年号とかの正確さが必要な数字のみのメモだったと思う。だから話もフリースタイルだった。

講義が始まる前、会場の席にいる僕と目が合った。ニコッと笑ってうなずいた。あとで聞くと、「鯛の里の松本さんだとすぐにわかった」。恐れ入った。

先生と夜更けまで吞みながら語った中で記憶に残っていることがある。

「いわゆる名だたるホテルや旅館に私は興味がない。民家が好きです。だからきょうはとても気持ちがいい。(こんなボロですみません)。いやいや、こういう仕舞屋風(しもたや風)がいいんですよ。私はB&Bが好きなんです。ベッド&ブレックファスト。一泊朝食です」

仕舞屋(しもたや)とは、店じまいをした家の意の〈仕舞(しも)うた屋〉から変わった言葉で,商売をしていない家をいう。(Wiki

B&B。夜の町を歩き、地元の空気を吸いながら地元の人と語り合い酒を吞む。寝るときは家に染みついた香りを嗅ぎながら眠りにつく。それが贅沢なときだという。

島を案内すると、ひょっと路地に入る。感じるものがあるのだろう。説明するまでもなく、そこは島で一番最初に開かれた石垣だった。旅が育んだ勘と経験とおおらかな人だった。

当時のことを書いたブログがみつかった。あれからもう10年近くなる。読んでいただければしあわせます。

ご冥福をお祈りします。

 

 

tainosato.seesaa.net

 

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