鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

島の「花の節句」

【花の節句

なんだか寒い。風も強いので花散らしとなるのだろう。今年は桜の開花が早かったように思う。

五条の千本桜の桜並木は、今月末まで道路拡幅工事のため、土日以外は全面通行止め。だから例年ほどの車の乗り入れはなかった。コロナ下、それも良かろうとも思う。

島でのお花見行事と言えば、かつて4月3日は「花の節句」と言って海や磯にくりだした。まだ小学生のころ、漁家は船で水無瀬島などに渡ったり、そうでない家は島の裏磯や浜で宴会をした。花見とはいえ、桜の花など咲いてはいなかった。この辺は遅いのである。洲崎の集落は一本松、本浦の集落は寺の裏浜の長瀬へ繰り出した。

父が船で大水無瀬島に連れて行ってくれたことを覚えている。磯の大きな岩にくっついている牡蠣をカキウチで打っていたら、牡蠣殻が海に落ち、それにチヌが群がってきたのを思い出す。

小学生の4年生のころだろうか、一本松に行ったら大行さんや大勘さん、坪井局長さんら島の世話方が一家総出で大宴会をしていたのを思い出す。

それは翌日も続いた。余った料理を持ち出して「花散らし」をするのだ。これは子どもだけだったように思う。

中学一年生の頃だろうか、母に弁当を作ってもらって一本松へ行ったが誰もいなかった。浜もいない。その頃は、磯や浜にくりだす人も少なくなったのであろう。父も漁に出ていなかった。

仕方なく一人で寂しく家で食べたことを思い出す。ラジオではシルビーバルタンの「あなたのとりこ」が流れていた。

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