小学4年生のころだった。島周辺にイカが群れていた。
放課後、家に帰ると叔父の船に乗ってイカ釣りに出た。松の下(トンネルの沖)で入れ食いだった。釣り上げるとブシューっと潮を吹き、叔父の顔を襲った。ヘソが千切れるほど笑った。
そのイカをマツイカと言った。今でいうと、スルメイカもしくはマイカ。旨いイカではなかった。煮るとかたい。刺身はまあ旨かったが、水イカ(ケンサキ)や甲イカには劣った。そのころはモイカ(アオリイカ)はそれほどいなかった。
母がよく大根と煮たが、ゴロゴロのワタの付いた身は好きではなかった。
これは一夜干しにしたもので、炙ってみた。マヨ醤油と七味でアタリメにした。今、食べてみると絶品だ。
思えばまったく贅沢な時を過ごしたもんだと、つくづく思う。
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