鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

もうじき ふた七日

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初七日あけた翌日、
友人たちが夕食に誘ってくれた。
大畠の丘にある一日二組限定の小さなお店。
しかも、肉が食べられない僕のために、
すべての素材を魚介類にしつらえてくれていた。

目にも鮮やかな春の訪れを感じさせる盛り付けと、
ひっそりと添えられた春の山野草
純米吟醸酒をそろりそりと呑みながら、
カウンター越しの料理人との語らい。
友人の寛容さと料理人のあたたかい手料理にふと涵養の文字が浮かぶ。
涵養とは、雨や川の水が地下に浸透し、
地下水となることを指す。
例えが少しへんかな。
でも、現実の辛い涙もあふれることから徐々に心の内に浸みてくるように感じる。

少し肌寒い夜も心地よい風と受け止めた。
酒屋で赤いラベルの酒を買った。
友人宅でグラスを傾けながら世間話。
そう、世間話なんて一週間ぶり。
時はすでに日付を超えたころ、
友人は椅子に掛けたまま眠りに落ちた。
付き合ってくれてありがとう。

翌日、柳井へ出たついでに業者さんや病院、
介護施設などをまわりすべての支払いを終えた。
財布も軽くなったが心も軽くなった。

もう少しでふた七日。
父の舟「昭運丸」はいまごろどのあたりを走っているだろう。
そんなことを考えているとまた涙があふれてきた。