鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

村は起こしちゃ いけません

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※常田富士夫(ときたふじお)さん。ネット上から拝借しましたm(_ _)m
 
「エー、日本国じゅう村おこし~村おこしといってはしゃいでおりますが~、村は~、起こしちゃいけません」
 

日本まんが昔ばなしの声の常田富士夫さんのこのことばにうなずきました。
以下は週刊ポスト2012年12月14日号から
 
ーーーーー福元満治×高山文彦さんの対談ーーーー
 高山:よく中央の画一化や地方の疲弊云々と理屈をつけて街おこしを語る人がいますが、福元さんはその点懐疑的ですよね。もともと九州は口舌の徒を蔑む傾向があって、僕も子供の頃は「皆まで言うな」と爺様に叱られたもんです(笑い)。
 
 福元:鹿児島では「議を言うな」、北九州では理屈屋を「アゴタン」と呼ぶ。久本さん【*注】だって、良心的な本を作るなど一言も言わなかった。それを「地域に根ざした善意の出版社」と。
 
 【*注】福岡・葦書房の故・久本三多社長。
 
 高山:それにしてもベロベロに酔っ払った俳優・常田富士男さんの口上は可笑しかったな。〈エー、日本国じゅう村おこし~村おこしといってはしゃいでおりますが~、村は~、起こしちゃいけません〉と言ったきり、本人が寝ちゃう(笑い)。
 
 福元:あれは故・網野善彦先生を勉強会に招いた打ち上げの席のこと。常田さんが偶然現われて、『まんが日本昔ばなし』のあの口調で「村は~起こしちゃいけません」とやって寝てしまった(笑い)。日本国中同じようなアイデアで活性化をいえば、村も街ものっぺらと均質化するだけ。多様性や豊かさは、むしろ反時代的であることで培われる。
 
高山:それこそ苦海浄土ペシャワール会も誰が決めずともそこにある。大陸に近い地勢条件や歴史背景はあるとして、ヘンにいじらないでこその九州性です。
 
 福元:うちは仕事以外に余計なことをするのが唯一の社風。市民が段ボール一箱ずつ本を持ち寄る古本市「ブックオカ」を編集長の藤村がやったり、私は毎週木曜にここで料理を作り、会費1000円で飲み食いできる「石風亭」をやっとります。すると福岡を元気にと言わんでもクモの巣が勝手に広がっていくんです。
 
 高山:……僕もなんだか福元さんと話してて、焼酎ば飲みたくなってきたですばい。
 
 福元:じゃ、そろそろ街に繰り出しますか!(笑い)
 
 ※週刊ポスト2012年12月14日号