鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

古い拡声器

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実家の軒下を整理していると懐かしいものが出てきた。これは父の手製の拡声器。まだトランジスタが世に出ていない時代の真空管アンプ。沖家室島へ佐藤総理が来た時にこの拡声器で演説をしたと言う、父の自慢である。だけど、佐藤総理が在任したのは昭和39年から47年だから、まだ総理になる前の時代に沖家室へ来たときかもしれない。
父は戦後まもなく島でラヂオの組み立てや修理、時計の修理業を起こし、屋号を「ラヂオ屋」と言った。その息子である僕のことは今でもラヂオ屋の息子と言った方が通りがいい。
この拡声器で僕は中学生のころエレキギターを弾いていた。スピーカーはラッパ型で音が割れてまともではなかった。
この拡声器、今やシャーシもすっかり錆、金属製の外枠は見当たらなかった。真空管は横に転がっていた。
トランジスタが世に出始めたころ、父は廃業した。漁師になったのはその後である。在庫部品などは沖家室中学校に寄付をしたそうだ。僕が中学生のころは、家にはまだたくさんの部品が残されていた。真空管 ダイオード コンデンサー等など、ラジオが組み立てられる一通りは揃っていた。それらで僕も自作していた。それらも昭和50年ころ、家を引っ越しした際に処分したようだ。
部品を接着するハンダも大量にあった。鉛とスズを主成分とした合金。これはのちにかむろ鈎(ハリ)をメッキするために用いられた。いわゆる錫掛け。昔からかむろ鈎(ハリ)を製作するに欠かせないものだった

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