鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

海が遠くになった

愚痴

最近は魚を買わないと食えない。子どものころは父が網を引いて帰ると、ラジオ体操後に船に乗る。不要な虫などを取り除くと、生け簀の中はザコやエビやカニとかタコやイカが残る。エビは撒き餌なので、それは残してあとは家に持ち帰る。30センチ級のジャンボウチワエビがとれると大喜び。より分けと運ぶのが子どもの仕事。

家では海に面した台所で母がシゴをし、アラを窓から投げるとたくさんの魚がよってきた。僕は窓から魚をせっせと釣る。

ほとんどは干して、残りは隣近所に差し上げる。だから近所も魚に困ることはなかった。盆暮れにはザコではなく、日ごろの感謝に立派なタイやハマチを配った。

ところが今、近所には漁師もいない。まったくいないわけじゃないけど、ザコさえくれない。こんなこと書くと、余計でもくれんようになる。波戸にいけば釣れるけど、コロナで釣り禁止になって以来気が引ける。磯に出れば密漁だと言われかねない。光市のフィッシングパークに行く昨今。

海が遠くなった。

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