読書日記
福島菊次郎さんをして、「自分の立ち位置がわかる」と聞いたことがある。 もう20年以上も前、下関の写真館を訪ねた。挨拶をすると、こんな至近距離と思うほど前に立った。一歩前へ、これがプロのカメラマンなのかと思った。 「僕はね、不器用だから同じとこ…
6月18日に開催した郷土大学講義の畑中章宏先生が書かれた「廃仏毀釈 寺院・仏像破壊の真実」。サインをいただきました。これから読みます。 以下は現在の僕の認識です。ジャーナリスト鵜飼秀徳著「仏教抹殺」がベースになっています。 「廃仏毀釈」とは、維…
ドイツ文学者 エッセイストの池内紀(おさむ)さん著書「すごいトシヨリBOOK」。 すでに読んでいたが、また読みたくなったので手にした。自分の老後の在り方を考えていたら、ふとこの本を思い出したのだ。 この本は池内先生が77歳のときに書かれたもの。 70…
1960年安保闘争から62年。僕は当時まだ4歳だった。だからその記憶はない。それから9年後の1969年、ベトナム戦争への反戦デモや第二次安保反対などを掲げた学生紛争が起きた。学生を中心とした全共闘会議(全共闘)が東大安田講堂を占拠し、下からは消防の放…
池田彌三郎(やさぶろう)著「日本の幽霊」 どうせオカルトもんじゃろうと言うなかれ。この池田彌三郎さんは有名な民俗学者です。日本の民俗学の草分けである折口信夫さんに師事し、宮本常一先生とは「民俗学のすすめ」の共著者でもあります。 池田さんが日…
【読書日記・明治維新という過ち】 長州側からすると、そげな本を読むなと言われるかもしれない。 僕は安倍総理が就任後に叫んだ言葉「戦後レジームからの脱却」に違和感があった。レジームとは体制という意味。日本が脱却しなくてはいけないのは「長州レジ…
「風呂でおしゃべりする人はうるさい。黙っていられないのは心が空っぽだからだ」 (ง `▽´)╯ハッハッハ!!。おるおるそんな人。旅行で温泉入ってて、ひたすらしゃべる人いるいる。 だいたい入浴中は頭の中を空っぽにしてボーっとしていたいものだ。あるいはもう一人…
【読書日記】⑥ 朝日新聞連載 神崎宣武 ―人生の贈りもの― (本文から) 「(宮本先生から)そのときに教わったのが、カタカナの横書きで1行ずつ空けて書く手法。宿へ帰ってから空いたところへ赤で直しを入れて、風景とか相手の表情は青で入れる。カタカナ書き…
【大積の名の由来】 東和町誌を繰っていたら面白い箇所をみつけた。僕の住む沖家室から橋を右に車で約10分ほど進むと大積(おおつみ)と小積(おつみ)という集落がある。その中ほどに厳島神社の赤い鳥居がある。といえば、あゝあそこねーってわかると思う。…
【読書日記】③ 「ものぐさ精神分析」岸田秀 ー吉田松陰と日本近代― ぺーリー来航から日本の外交は、外的自己と内的自己が分裂してしまう。その葛藤はいずれ爆発すると筆者は解いた。松蔭の憂国の情と行動は、その内なる日本のアイデンティティーを立て直すこ…
岸田秀「ものぐさ精神分析」 「日常性とスキャンダル」 これがまたすごい話じゃわ。 「神が存在するためには悪魔が必要であり、悪魔は神の、正反対にひっくり返した姿似である。そして、この聖なるものに支えられ、正当化されている日常的なものも、そのレベ…
【読書日記】 岸田秀「ものぐさ精神分析」 ①日本国民は精神分裂病的であると説く。なにやらおだやかではない。つまり、体に外なる顔と内なる顔を持ち、その内部矛盾を抱えていると言う。 その素質をつくったのは、1853年のペリー来航であるという。鎖国を解…
いろんな書物を読んで、こういう人物がいたのかということに出くわすことがある。 佐野眞一さんが書いた、関東大震災に乗じて社会主義者殺しで服役後、満州に渡り満州国の帝王とまで言われた「甘粕正彦 乱心の曠野」の甘粕正彦。 同じく佐野さんが書いた「ア…