鯛の里日記

周防大島町沖家室島の民泊体験施設・居酒屋の日常と、宮本民俗学の学びを書きます。

我が家の怪談物語

怪奇十三夜

僕は怪談が大好きで、特に夏になると観たくなる。 小学生のころだったか、お盆前にシリーズで「怪奇十三夜」が放送された。これを観るために、昼寝をしていたくらいだ。すべてが時代劇で、いわゆるヒュ~ドンドン ウ~ラメシヤ~~の世界。顔はただれて髪はうなだれ…

チリ紙織りの女性

まだ20代の頃の出来事である。 泳いだとき、大量の水が耳に流れ込んだ。そのあと、頭がクラクラして頭痛が始まった。日ごとに耳の奥がずきずきしだし、水が出るようになった。間違いない、中耳炎だ。 隣町に名医がいると聞いたので、友人に運転してもらって…

日本の幽霊 ふたつのタイプ

池田彌三郎の「日本の幽霊」では、幽霊は二つに分類できるという。 ひとつは、人を指して出てくる幽霊。どこにいようと出てくる幽霊。恨みがあろうがなかろうが関係ない。どこまでも追っかけてくる。 もうひとつは、決まった場所に現れる。だからそこに行か…

口裂け女の話

【口裂け女の話】 先日の大雨は夕方になると、いっそう激しさを増した。うす暗くなった六条のバス停に人が立っていた。ずぶ濡れの髪の長い女性が海をみつめていた。バスを待つ間に傘がなくて困っているのだろう。僕はそう思い、傘を貸してあげようと車を止め…

50代半ば ゲゲゲの妖怪を訪ねた島の妖怪

懐かしい写真をみつけた。これは10年前、みずきしげるロードを見学し、島根半島の民宿に泊まったときの一コマ。写真のあるじはワタクシではない。同行したNPOふるさと里山救援隊の代表田中照敏さんである。 妖怪ロードを歩いていて、道端の妖怪をバックに田…

天狗のアベノマスク

なんのことで遠出したのだろう。ついぶらりと山中に入った。集落もない山道にひときわ目立つ大きな古民家レストラン。ちょうど昼時だ、簡単に食事でもしようと駐車場に入ったら、たくさんの車が停まっていた。 中に入ると「空いたところにどうぞ」と声がかか…

我が家の怪談物語 海のヌシ 大ダコ

【海のヌシ 大ダコ】母方の大叔父の話。 「ありゃ、今思い出してもトイシー(恐ろしい)ことじゃった。 磯まわりをテンマで漕いどったら、タコの足が見えたんで突いてやったんじゃ。そしたらの、ほれが大ダコでの、金突きを引っぱると穴から出て来て舟にへば…

我が家の怪談物語 「海の中になぞの手」

我が家の怪談物語 ~父の話~ 「海の中になぞの手」 今思い出しても、ありゃタマげたで 父がたまに思い出したように言っていた。 父は昼も夜もよく働いた。 僕が小学生のころ、冬になると父はよく夜漁(よいさり)に出かけた。サザエやアワビ、ウニなどを採…

我が家の怪談物語「海坊主」

母方の大叔父が対岸の地区佐連(され)に住んでいた。祖母の兄弟である。僕が高校三年当時、祖父母はすでに亡くなり、親戚はこの叔父一人だった。 当時はまだ橋が架かっていなくて、瀬戸丸というポンポン船に自転車を載せて通っていた。 橋の下の海峡を瀬戸…

我が家の怪談物語 母がキツネに化かされた

我が家の怪談物語 母の話 母は沖家室島の対岸「佐連(され)」で生まれて育った。佐連美人三姉妹と言われていたそうだ。その母を見初めたのが父だったそうで、島の瀬戸をカッターボートで通う姿を見ては、「春久がまた佐連に行きよるで」と言われていたそう…

深夜にさまよう謎の女

久々の我が家の怪談物語です。お付き合いください。 これは、僕がまだ小学生のころに、父方の祖母に聞いた話です。 深夜、軒先に干していたカンコロ(干し芋)を返していたら、若い女性が歩いてきたそうだ。 「こんばんは」 と言ったので 「こんばんは」 と…

深夜に下駄の音 カランコロン カランカラン コロン

深夜に裏庭から下駄の音が聞こえるカランコロン カランカラン コロン♪~ お化けの世界はな~~♪ なにやらゲゲゲの鬼太郎のテーマソングが頭に流れた どういうこっちゃ!(^^)?ソローっと窓から覗くがなにもない ふたたび布団にもぐるとふたたびカランコロン カ…

我が家の座敷童

どこにいるかわかりますか!(^^)? 6年も前のこと。 部屋を暗くしてお客さんとカラオケをしていると、 隠れていたつもりがストロボ焚いたら写ってしまったんでしょうか。 こちらの世界に足を踏み入れてしまったのでしょう。 我が家に現れた座敷わらしちゃん。 …

今は廃墟のラブホテル

すでに廃墟となったラブホテル。実は以前、この付近を通るときに車が急に動かなくなったことがある。まわりに人家はまったくない。ただラブホテルのネオンだけが場に不釣り合いな雰囲気を醸していた。まだガラケーの時代だったので検索も出来ないでいた。 ち…